森羅万象 歌詞
しんとした空気の中 踏みしめた大地 きりりと引く弓。
背筋を正して全ての気魄(きはく)を一点に収める。
些細な揺らぎでぶれる矢先。
まるで心の湖面に己の姿を映しだしているようです。
そこに曇りは無いか 迷いは無いか
精神の様(さま)を見極めているようです。
無であること 真(まこと)であること。
それぞれが真理を射抜く答えになるのです。
不動の的(まと)。
偽りは決して効かない矢を射るという事。
それは真っ直ぐな己との真剣勝負です。
どのような物事にも動じない強い気持ちを弓に込めて。
高く青い空は今日も清らかに広がっています。
長い長い年月(ねんげつ)を沈黙の中で
見守って来た大樹が私の肩に木漏れびを落とします。
森羅万象 自然の雄大な時間の流れの中では
人の世は儚(はかな)い泡沫(うたかた)と見えるのでしょうか。
何一つ表情を変えることはなく
争いに身を焦がす人々の愚かさまでも包み込み
許しているかのようです。
だからこそ限られた時は 華々しく愛しく私の手のひらにあるのでしょう。
この瞬時を私は全身全霊で受け止めて 矢を放って行くのです。
生命のたゆまなき輝きをこの胸いっぱいに
吸い込み肉体の力として。
正(せい)であること 己であること。
ただ一心に想いを投じて放った矢こそが
私に真実の音(ね)を響かせるのです。
不動の心。
迷いからは何も発せはしない。
弓を極めるという事。
それは真っ白な魂を研ぎ澄ますこと。
無であること 真(まこと)であること。
正(せい)であること 己であること。
森羅万象 自然の流れは この身の内の
血肉として私の魂を静かなる場所へと導きます。
偽りは決して効かない迷いからは
何も発せはしない。
波紋のない強い心。
真っ直ぐな真っ白な己を投じて
放った矢こそが全ての答えなのです。
真実の音(ね)を響かせるのです。